保育園を転園してから、子どもの様子がなんだか不安定になった。
「前の園に戻りたい」「保育園に行きたくない」と言われると、このまま通わせて大丈夫なのかなと心配になりますよね。
転園は、子どもにとって先生やお友だち、園での過ごし方など、身の回りの環境が大きく変わる出来事です。新しい環境にすぐ慣れる子もいれば、少し時間をかけて慣れていく子もいます。
この記事では、保育園を転園したあとに見られやすい子どもの変化や、慣れるまでの家庭での関わり方についてまとめます。
転園後に子どもが不安定になるのはなぜ?
転園すると、子どもを取り巻く環境は大きく変わります。先生やお友だちだけでなく、教室の雰囲気や一日の流れ、遊び方、園でのルールなど、これまで「いつものこと」だったものが一度に変わることもあります。
大人にとっては「同じ保育園」と感じても、子どもにとっては新しいことの連続です。そのため、慣れるまでの間に不安や緊張が強くなったり、家庭でいつもと違う様子が見られたりすることがあります。
特に、周囲の様子をよく見てから行動する子や、環境の変化に慎重な子は、新しい場所に慣れるまで少し時間が必要なこともあります。
転園後に見られやすい子供の変化
転園後の子どもの反応はさまざまです。園では普段どおり過ごしているように見えても、家に帰ってから甘えたり、いつもより不機嫌になったりすることもあります。
たとえば、次のような変化が見られることがあります。
- 「保育園に行きたくない」と言う、登園時に泣く
- 以前より甘えたり、離れることを嫌がったりする
- 怒りっぽくなる、泣くことが増える
- 食欲や睡眠など、生活リズムに変化が出る
- 家では元気がない、反対に興奮して落ち着かない
- 「前の保育園に戻りたい」「前のお友だちに会いたい」と話す
こうした様子があるからといって、必ずしも新しい園が合っていないとは限りません。新しい環境の中で頑張っている分、安心できる家庭で気持ちが表に出ることもあります。
大切なのは、「早く慣れさせなければ」と急ぐのではなく、子どもの様子を見ながら必要なサポートを考えていくことです。
転園して慣れるまでにどのくらいかかる?
新しい保育園に慣れるまでにかかる時間は、子どもによってさまざまです。数日で楽しそうに通えるようになる子もいれば、少しずつ時間をかけて新しい環境に慣れていく子もいます。
「〇週間たてば慣れる」と決まっているわけではないので、周りの子と比べて焦る必要はありません。登園時には泣いていても園では遊べている、少しずつ先生やお友だちの話をするようになったなど、小さな変化も見ていきましょう。
また、一度慣れたように見えても、行事やクラスの雰囲気の変化、長い休みのあとなどをきっかけに、再び不安が強くなることもあります。
「泣かなくなったか」だけで判断するのではなく、園で安心して過ごせる時間が少しずつ増えているか、家庭での様子も含めて見ていくことが大切です。
転園後の子どものために家庭でできること
子どもの気持ちを否定せずに聞く
「保育園に行きたくない」「前の保育園がよかった」と言われると、つい「新しい園も楽しいよ」「もう少し頑張ってみよう」と励ましたくなることもあります。
そんなときは、まず「行きたくないんだね」「前の保育園が好きだったんだね」と、子どもの気持ちをそのまま受け止めてみましょう。
すぐに解決しようとしたり、理由を何度も聞いたりするよりも、「そう感じているんだね」と分かってもらえることが、子どもの安心につながることがあります。
ただし、子どもが具体的に嫌だったことや困っていることを話した場合は、内容をよく聞き、必要に応じて園の先生にも様子を確認しましょう。
家庭では安心して過ごせる時間をつくる
新しい環境では、子どもも知らないうちに気を張っていることがあります。園で頑張っている分、家に帰ると甘えが強くなったり、ちょっとしたことで泣いたり怒ったりすることもあります。
そんなときは、家ではできるだけ安心して過ごせる時間をつくってあげましょう。抱っこをする、一緒に好きな遊びをする、ゆっくり話を聞くなど、特別なことをする必要はありません。
また、転園したばかりの時期は予定を詰め込みすぎず、家でゆっくり過ごす時間をとるのもひとつの方法です。生活リズムを大きく崩さず、いつも通り過ごせることが安心につながる場合もあります。
甘えが増えたときも「もうお兄さん・お姉さんだから」と突き放すのではなく、今は安心を求めている時期なのかもしれない、と少し余裕をもって受け止めてみましょう。
園の先生と子どもの様子を共有する
家庭での様子と園での様子が違うことは珍しくありません。家では「行きたくない」と話していても、登園後はお友だちと遊べていることもあります。反対に、家庭では元気そうでも、園では緊張して過ごしていることもあります。
気になる変化があるときは、「最近、家で保育園に行きたくないと言うことがあります」「帰宅後に泣いたり、甘えたりすることが増えました」など、家庭での様子を先生に伝えてみましょう。
そのうえで、園ではどのように過ごしているか、困っている場面はないかを聞いてみると、子どもの様子をより広く捉えやすくなります。
家庭と園で情報を共有しながら、子どもが安心して過ごせる方法を一緒に考えていくことが大切です。
無理に新しい園を好きにさせようとしない
子どもが「前の保育園がよかった」と話すと、「新しい保育園にも楽しいことがあるよ」と前向きな気持ちにさせたくなることもあります。
でも、前の園や先生、お友だちを恋しく思う気持ちと、新しい園に少しずつ慣れていくことは両立します。無理に「新しい園のほうが楽しい」と思わせる必要はありません。
「前の先生に会いたいね」「楽しかったもんね」と以前の園での思い出も大切にしながら、新しい園であった出来事にも耳を傾けていきましょう。
「今日は何が楽しかった?」と答えを求めるより、「今日はどんなことをしたの?」など、子どもが話しやすい聞き方をしてみるのもよいでしょう。
こんな様子が続くときは園や専門機関に相談を
転園後に不安や緊張が見られても、少しずつ新しい環境に慣れていく子は多くいます。
一方で、気になる様子が強く続いている場合は、家庭だけで抱え込まず、まずは園の先生に相談してみましょう。
たとえば、次のような様子が続いている場合は、園での様子も確認してみるとよいでしょう。
- 登園への強い拒否が続いている
- 食欲や睡眠など、生活面に大きな変化が出ている
- 不安や緊張が強く、日常生活にも影響している
- 腹痛や頭痛などの体調不良を繰り返し訴える
- 園で困っていることや嫌なことがあると話している
- 時間がたっても様子が改善せず、むしろつらそうになっている
まずは園と家庭で様子を共有し、それでも心配が続く場合は、かかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口などに相談する方法もあります。
「転園したばかりだから」とすべてを環境の変化のせいにせず、普段のその子と比べて気になる変化がないかを見ていくことも大切です。
まとめ|転園後は子どものペースを大切に
保育園の転園は、子どもにとって先生やお友だち、過ごす場所、一日の流れなど、たくさんのことが変わる大きな環境の変化です。
すぐに新しい園に慣れる子もいれば、少しずつ時間をかけて慣れていく子もいます。「早く慣れてほしい」と焦らず、その子なりのペースを見守っていきましょう。
「行きたくない」「前の保育園がよかった」という言葉が出たときも、まずはその気持ちを受け止め、家庭では安心して過ごせる時間をつくることが大切です。
気になる様子が続くときは、家庭だけで抱え込まず、園の先生と様子を共有してみてください。必要に応じて、小児科や地域の子育て相談窓口などに相談することもできます。
新しい環境で頑張っている子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ「ここも安心できる場所」と感じられるよう見守っていけるといいですね。