「どんなふうに話しかけたらいい?」「言葉を増やしてあげたいけれど、質問ばかりになってしまう…」そんな悩みに、毎日使える声かけ例をまとめました。
全部やらなくて大丈夫。まずは、子どもが見ているものに一言添えるところから始めてみましょう。
声かけで大切にしたいことは?
- 興味を一緒に見る:大人の話題に引き戻すより、子どもの注目に合わせます。
- 短く、わかりやすく:子どもの理解や表現に合わせた言葉で話します。
- 伝え方を受け止める:言葉だけでなく、指さし・表情・身振りにも応じます。
🌷 「伝わった」を増やそう
声かけは、言葉を言わせるためのテストではありません。子どもの反応に応じて、親子の会話を楽しみましょう。
どんな言い方がいい?声かけのコツ7つ
① 子どもが見ているものに言葉を添える
お散歩や遊びの途中で、子どもの視線や指さしに気づいたら、同じものを見て一言添えます。
- 犬を指さしたら:「わんわん、いたね」
- 車を見ていたら:「赤い車だね」
次々と名前を教えようとせず、子どもが興味を持ったものについて話してみましょう。
② 子どもの言葉を少し広げて返す
- 「ブーブー」→「赤いブーブーだね」
- 「わんわん」→「わんわん、走ってるね」
- 「ママ、きて」→「ママ、こっちに来て」
同じように言い直させなくて構いません。子どもの表現を受け止めながら、少し長い言い方を聞かせます。
③ 気持ちに、やさしく言葉を添える
うまく気持ちを伝えられないときは、表情や状況を見て、短い言葉で応じます。
- おもちゃが動かず困っていたら:「動かなくて困ったね」
- 手を伸ばしていたら:「手伝おうか?」
「悔しいに決まっている」などと決めつけず、反応を見て言い方を変えましょう。
④ 質問に、コメントも交ぜる
「これなあに?」「何色?」が続いていたら、答えを求めない一言に変えてみます。
- 「何色?」の代わりに:「赤いりんごだね」
- 「誰がいる?」の代わりに:「ねこさん、寝ているね」
質問そのものが悪いわけではありません。子どもが話したいときはやり取りを楽しみ、答えが出ないときは急かさないようにします。
⑤ 一言話したら、反応を待つ
話しかけたあと、すぐに次の質問を重ねず、子どもが伝えようとする様子を待ちます。
- 選ぶ場面:「赤い服と青い服、どっちにする?」
- 指さして選んだら:「青にしたんだね。教えてくれてありがとう」
指さしやうなずきでも返事になります。言えるまで服や食べ物を渡さずに待つ、といった関わりはしなくて大丈夫です。
⑥ 生活の場面に、短い一言を添える
- 食事:「にんじん、あったね」「おいしいね」
- 着替え:「くつした、はこうね」
- お風呂:「あったかいね」「あわ、いっぱい」
- 片付け:「車を箱に入れよう」
一日中話し続ける必要はありません。いつもの場面で、余裕のあるときに一言添えてみましょう。
⑦ 絵本・絵カードを一緒に楽しむ
好きな絵を見ながら、子どもが注目したものについて話します。絵本は、毎回最後まで読まなくても構いません。
- 犬の絵を見たら:「わんわん、いたね」
- 子どもが鳴き声を出したら:大人も「わんわん!」と返す
遊び方の例は、2歳・3歳の動物遊び5選や、絵カードで楽しむ3つの遊びをご覧ください。
声かけを頑張りすぎていない?
- 何度も「言ってごらん」と求めなくて大丈夫。
- 「犬でしょ」と訂正を繰り返さず、「わんわん、犬だね」と自然な言い方を聞かせます。
- 言葉が少ないことを、保護者の声かけ不足と決めつけないようにしましょう。
発達のペースや必要な支援は子どもによって異なります。声かけを工夫すれば、必ず言葉が増えるというものではありません。
よくある質問
Q. 子どもが言葉をまねしてくれないときは?
A. 無理に繰り返させなくて大丈夫。見ているものに言葉を添え、身振りや表情での反応も受け止めます。まねをしないことだけで、発達を判断することはできません。
Q. たくさん話しかけた方がいい?
A. 回数を増やすより、反応に応じることを意識しましょう。子どもが何かを伝えようとしたときに、短く返してみてください。大人の話を聞く時間と、子どもが表現する時間の両方を大切にします。
Q. 心配なときは、いつ相談すればいい?
A. 気になるときに相談して構いません。特に次のような様子があれば、健診を待たずに自治体の保健センターや小児科へ相談してください。聞こえが気になる場合は耳鼻科も相談先です。
- 言葉の少なさや、話しかけた内容の理解が気になる。
- 音や呼びかけへの反応が気になる。
- 以前使っていた言葉や、できていたやり取りが減った。
家庭での関わり方と並行して、聞こえや発達の様子を専門家に確認してもらえます。この記事は、診断や個別の評価・支援の代わりになるものではありません。
まずは今日、一言から
子どもが指さしたものに「いたね」と応じたり、「ブーブー」に「赤いブーブーだね」と返したり。できそうな声かけを1つ選んで、親子で楽しんでみてくださいね。
あわせて読みたい:2歳・3歳の言葉を増やす遊び7選/毎日の暮らしでできる5つの関わり
参考資料
短い言葉で話す、子どもの表現を広げる、絵や生活の中で言葉に触れる、選択肢を示して反応を待つ、といった関わり方は、米国言語聴覚学会(ASHA):2〜3歳のコミュニケーションを参照しています。この記事の声かけは、家庭向けの例としてまとめたものです。