「何度言っても片付けてくれない」
「着替えてほしいのに、遊んでばかり」
「つい強く叱ってしまって、あとから落ち込む」
3歳ごろの子どもとの毎日で、こんな悩みを感じることはありませんか?
何度も同じことを伝えるのは、親にとっても疲れるものです。
けれど、3歳児が言うことを聞かないように見えるとき、必ずしもわざと困らせようとしているわけではありません。
自分で決めたい気持ちが育っていたり、遊びに夢中だったり、まだ気持ちを切り替えることが難しかったりする場合もあります。
この記事では、3歳児が言うことを聞かない理由と、片付け・着替え・外出準備などの場面で試せる具体的な声かけを紹介します。
すべてを一度に実践する必要はありません。
親子に合いそうな方法を、一つずつ見つけていきましょう。
- 3歳児が言うことを聞かない理由
- 伝わりやすい声かけの基本
- 日常生活の場面別の対応例
- 親がイライラしたときの対処法
- 困りごとが続く場合の相談先
3歳児が言うことを聞かない5つの理由
子どもが動いてくれないときには、その行動の背景を考えてみることが大切です。
理由がわかると、声のかけ方や環境の整え方を選びやすくなります。
① 自分で決めたい気持ちが強くなっている
3歳ごろは、自分の好みや意思を表現する機会が増えてくる時期です。
大人に言われたことよりも、自分で選んだことを優先したい場合があります。
「着替えなさい」と言われると嫌がっても、「赤い服と青い服、どちらにする?」と聞くと選べることもあります。
ただし、選択肢を出しても気持ちが切り替わらない日もあります。
② 遊びに夢中で声が届いていない
積み木やごっこ遊びに集中していると、大人の声にすぐ反応できないことがあります。
遠くから何度も呼ぶより、そばに行って名前を呼び、子どもがこちらに注意を向けたことを確かめてから伝えてみましょう。
無理に目を合わせさせる必要はありません。
③ 一度にたくさん言われると難しい
「片付けて、手を洗って、着替えてね」と続けて言われても、何から始めればよいのかわからない場合があります。
まずは「このブロックを箱に入れよう」と、一つの行動だけを伝えてみましょう。
できたら次のお願いをすることで、取り組みやすくなることがあります。
④ 気持ちの切り替えに時間が必要
楽しい遊びを終えて次の行動に移ることは、子どもにとって簡単ではありません。
突然「もう終わり」と言われると、戸惑ったり嫌がったりすることもあります。
「この絵本を読み終わったらお風呂に行こうね」など、次の予定を先に知らせる方法が役立つ場合があります。
⑤ 疲れ・空腹・体調などが影響している
眠いときやお腹がすいているとき、いつもならできることを嫌がる場合があります。
保育園から帰った直後などは、疲れがたまっていることもあります。
そんなときは、声かけを工夫するだけでなく、休息や生活の流れを見直すことも大切です。
「言うことを聞かない」と「まだできない」は、同じではありません。
子どもが理解できる言葉か、今できる行動か、疲れていないかを確かめてみましょう。
何度言っても動かないときの基本の声かけ
① 近くで短く具体的に伝える
「ちゃんとして」よりも、「靴を玄関に置こう」のように、してほしい行動を具体的に伝えます。
声かけ例
「おもちゃを片付けて」→「赤い車をこの箱に入れよう」
「早くして」→「まず靴下を履こう」
② 選べることは二択にする
子どもが自分で決められる部分を残すと、取り組みやすくなることがあります。
ただし、外出するかどうかなど、大人が決める必要のあることまで選択肢にしなくても大丈夫です。
「出かける前に、赤い靴と青い靴のどちらを履く?」
「お片付けは車からにする?ブロックからにする?」
③ 次に何をするか知らせる
遊びから食事、お風呂から就寝など、活動が切り替わる前に予定を伝えます。
時計がまだ難しい子には、「あと1回滑ったら帰ろうね」のような具体的な区切りがわかりやすい場合があります。
④ できた行動を具体的に伝える
「えらいね」だけでなく、「靴を自分で履けたね」と、できたことを言葉にしてみましょう。
最後までできなくても、「ブロックを3個入れられたね」と、途中の取り組みを認めることができます。
- 子どもの注意がこちらに向いている?
- お願いは一つだけになっている?
- 何をすればよいか具体的に伝えている?
- 子どもが今できることをお願いしている?
- できた部分を認められている?
言葉の伝え方をさらに知りたい方は、2歳・3歳の声かけのコツ7つも参考にしてみてください。
場面別|3歳児が言うことを聞かないときの対応
ここからは、毎日の暮らしで起こりやすい場面を取り上げます。
同じ声かけでも子どもによって反応は異なるので、合いそうなものから試してみてください。
① おもちゃを片付けない
遊びを続けたい気持ちが強いときは、急に片付けを求めても難しい場合があります。
最初から全部を片付けようとせず、範囲を小さくしてみましょう。
声かけ例
「車を3台、この箱に入れよう」
「ママは積み木を片付けるね。あなたはぬいぐるみをお願いできるかな」
親が一緒に取り組むことで、片付け方を覚えやすくなることもあります。
② 朝の着替えを嫌がる
朝は時間に追われやすく、親子ともに焦りやすい場面です。
服を前日に用意したり、子どもに二択で選んでもらったりする方法があります。
「今日はこの服とこの服、どっちがいい?」
「まずズボンを履こう。難しいところは手伝うね」
朝の準備を詳しく知りたい場合は、3歳児のお友達との関わり方とは別に、朝の支度を扱った記事も活用するとよいでしょう。
③ 外出前になかなか動かない
出かけること自体が嫌なのではなく、今していることを終えたくない場合があります。
外出の予定を少し前から伝え、終わりの区切りを決めてみましょう。
「このパズルが完成したら靴を履こうね」
「玄関まで一緒に歩こう」
予定が変わったときは、そのことも短い言葉で説明しましょう。
④ お風呂に入りたがらない
お風呂に入ることより、遊びを中断することが嫌な場合もあります。
お風呂の時間をある程度決めたり、次の予定を知らせたりする方法が考えられます。
「この絵本を読み終わったらお風呂だよ」
「お風呂に持っていくタオル、一緒に選ぼうか」
ただし、入浴を強く嫌がる場合は、湯温や音、肌への刺激など、不快なことがないかも確かめてみましょう。
⑤ 帰りたがらない
公園や遊び場から帰るときは、楽しい時間が終わることを受け入れにくい場合があります。
「あと1回滑ったら帰るよ」と事前に伝え、約束した区切りで次の行動に移れるよう支えます。
泣いてしまった場合は、気持ちを受け止めながら、安全に帰れる方法を考えましょう。
感情が大きく高ぶったときの対応は、3歳児の癇癪がひどいときの対応と声かけでも詳しく紹介しています。
避けたい声かけと、言い換えの工夫
毎日忙しいなかで、強い言葉が出てしまうことはあります。
大切なのは、いつも完璧な声かけをすることではなく、少しずつ伝え方を見直していくことです。
「何回言ったらわかるの!」
→「まず、このおもちゃを箱に入れよう」
「早くしなさい!」
→「最初に靴下を履こうね」
「ちゃんとして!」
→「椅子に座って食べようね」
「もう知らない!」
→「ママも少し落ち着いてから話すね」
危険な行動を止める必要があるときは、穏やかな声かけだけにこだわる必要はありません。
まず安全を確保し、短くはっきり伝えましょう。
親がイライラしたときはどうする?
何度も声をかけても動いてくれないと、疲れや焦りが積み重なることがあります。
そんなときは、子どもへの声かけだけでなく、親自身の負担を減らす工夫も大切です。
- 急がなくてもよい予定には余裕を持たせる
- できることと、今は手伝うことを分ける
- 安全を確保してから短い休憩を取る
- 家族と役割を分担する
- うまくいかなかった日は、次の日にやり直す
強く言ってしまったときは、「さっきは大きな声になってごめんね」と伝えても大丈夫です。
親子で少しずつ、安心して気持ちを伝えられる関係を育てていきましょう。
声かけを考えるときに役立つ育児本・絵本2選
日常の声かけに迷ったときは、育児本や絵本を参考にする方法もあります。
ここでは、保護者が言葉を見直すための本と、子どもの気持ちを考えるきっかけになる絵本を紹介します。
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① 親子でラクになる声かけことば150
さっこせんせい著の、日常の声かけを考えるための育児本です。
「どう伝えたらいいかわからない」と感じるときに、言葉の選択肢を増やす参考になります。
対象:主に保護者向け。
注意:本に書かれた声かけが、すべての子どもに同じように合うわけではありません。
② おこだでませんように
くすのきしげのり作、石井聖岳絵の、怒られてばかりの男の子の気持ちを描いた絵本です。
子どもがどんな思いを抱えているのか、親子で考えるきっかけになります。
対象:読み聞かせを楽しむ親子。
注意:内容の受け止め方には個人差があるため、3歳児には大人が一緒に読み、難しい部分は無理に理解させなくて大丈夫です。
毎日の声かけを考えるためのnote教材
声かけの方法を知っていても、忙しい毎日のなかでは、とっさに言葉が出てこないことがあります。
そんなときは、普段の生活で使う言葉をあらかじめ考えておくのも一つの方法です。
伝わる声かけ おうちの工夫帖
つむぎ帖のnoteで紹介している、家庭での声かけを考えるための教材です。
日常のやり取りを見直したいときに、参考の一つとしてご覧ください。
教材の内容や利用条件、価格については、リンク先の最新情報をご確認ください。
note教材を見る教材を使えば必ず言うことを聞くようになる、というものではありません。
子どもの気持ちや発達のペースを大切にしながら、家庭に合う方法を探していきましょう。
3歳児が言うことを聞かないときのQ&A
遊びに集中していたり、言われた内容が難しかったり、気持ちを切り替えられなかったりする場合があります。
まずは近くで短く伝え、子どもが理解しているかを確かめてみましょう。
穏やかに対応することと、何でも許すことは違います。
安全や生活に必要なルールは、短く具体的に、繰り返し伝えていくことが大切です。
家庭と園では、環境や活動の流れ、疲れ具合が異なります。
園でできていることを家でもすぐに求めるのではなく、帰宅後に休む時間をつくるなど、生活の流れを見直してみましょう。
声かけだけで解決しようとせず、環境や予定、お願いする内容を見直してみましょう。
困りごとが強く続く場合は、保育園や地域の子育て相談窓口などに相談することもできます。
相談を考えたいのはどんなとき?
3歳ごろに自分の意思を強く表現することは珍しくありません。
ただし、困りごとの程度や背景には個人差があります。
次のような場合は、一人で抱え込まずに相談してみましょう。
- 日常生活での困りごとが強く、長く続いている
- 家庭でも園でも、やり取りの難しさが目立つ
- 言葉の理解や聞こえについて気になることがある
- 子どもや家族が強いストレスを感じている
- 親が疲れ切ってしまい、対応が難しくなっている
相談先としては、かかりつけの小児科、自治体の保健センター、子育て相談窓口などがあります。
「発達に問題があるかどうか」を決めるためだけでなく、家庭での関わり方を一緒に考えるために相談しても大丈夫です。
まとめ|3歳児の「言うことを聞かない」には理由がある
3歳児が言うことを聞かないように見えるときには、自分で決めたい気持ちや、遊びへの集中、切り替えの難しさなどが関係している場合があります。
まずは、子どもが今できることを考えながら、短く具体的に伝えてみましょう。
- 近くで一つずつお願いする
- できる範囲で二択を取り入れる
- 次の予定を前もって伝える
- できた部分を具体的に認める
毎日うまくいく必要はありません。
親子で過ごす時間が少しでも穏やかになるように、無理なく続けられる方法を見つけていけるといいですね。